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2007/12/04

風に舞いあがるビニールシート

風に舞いあがるビニールシート

 森絵都さんの小説を初めて読みました。直木賞を受賞した表題作品を始め、全6編の短編集です。

 帯には、「自分だけの価値観を守って、お金よりも大事なものを持って生きているーー。あたたかくて強くて、生きる力を与えてくれる… 大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語」とあります。まさにその通り!でした(笑)。

 森さんは、1968年生まれだから、今年39歳のはず。6つの作品の主人公たちは、みな、著者と同じ30代、とりわけ30代後半の人たちが中心です。

 この作品集は、30代の自己確立ーー仕事だったり、趣味だったり、ボランティアだったりーーの物語なのだと思いました。しかも、「仕事」や「趣味」という言葉では言い尽くせない、「自分にとってたいせつなもの、なくてはならないもの」と出会うプロセス…それに気づいたり、格闘したり、掴み取ったりして、そこから、また自分の人生を歩き出そうとする…物語はどれもそんなふうに終わっていました。

 主人公たちは、妻子持ちもいれば、独身者も、主婦もいます。でも、物語において、家庭というものはあまりクローズアップされていません。結婚や家庭が否定されている訳ではありませんが、それよりも「わたしの生き方」「譲れない何か」のほうが、前面に出ています。

 恋愛小説風なのも、最後の「風に…」だけ。あとの作品は、むしろ女同士、男同士のかかわりあい、ぶつかり合いが描かれ、興味深い…ありきたりでなくてよい感じです。

 小説は6つとも面白かったですが、とくに気に入ったのは、最初の「器を探して」と、「鐘の音」、「風に…」かな。「風…」は、他の作品に比べて、ストーリーが予想できる…けど、泣けました〜。

 私事になりますが、私が会社を辞めて、心理学の道に入ることを決めたのが29歳の時。30歳で大学に戻り、35歳になる年に、心理の仕事に就いたんですよね〜

 あの時、すご〜く悩んだ末に決断したこと、そしてその後に待っていた、想像を越える喜びの日々…それが、いまの私を支えているんだな〜、私にとっても30代は大きな節目だった…そんなことを思い起こしました♪

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コメント

いのちは仕事や家庭とは無関係に私をささえてくれています。自分で自転車のペダルをこいで前に進まなければ生きれないのではなく、いのちたぎるものが自分のなかにあるようです。森さんの本図書館でさがしてみます。ゴリさんの人生が節目の時に押しつぶされなくてよかったですね。

想像を超える喜びの日々ですか。いいですね〜。
それがなんなのか聞いてみたい気がします。

まきとさん、
「いのちたぎるものが自分のなかにあるようです」
お〜すごいですね!
この短編集、ふつうの人々のふつうの生活が(ちょっと変わってるのもあるが)描かれていて、気楽によめますよ〜

太郎さん、
ご想像にお任せします^^
なんちって、平たく言えば、大学生活〜カウンセラーになるための勉強と訓練の日々が楽しかったってことです

大学院を単位は全部取ったけど論文が書けず、心の病になり中退して、やっと見つけて、4年働いたとこをを辞めざるを得なくなって、(心因反応)そこから、レールがなくなってしまいました。もう、辞めてから17年になります。私事でした。

絵都さんの「器を探して」「犬の散歩」を読みました。この著者はかなり語彙が豊かですね。明るく積極的な人物が登場します。著者の分身のようですね。つづきは、パワー不足で読めませんでした。

ひとつのひとつの話がだいぶ違うので、時間をかけて味わいながらゆっくり読むことをおすすめします!

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