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2008/08/13

梨木香歩 「りかさん」

りかさん (新潮文庫) りかさん (新潮文庫)
梨木 香歩

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「西の魔女が死んだ」の作者、梨木香歩さんの小説「りかさん」を読んでみました。

カバーに載っていたプロフィールより;梨木香歩さんは 昭和34年鹿児島生まれ。英国に留学し、児童文学者のベティー・モーガン・ボーエンに師事されたそうです。

異文化の香りがしつつ、日本の文化を非常に大切にしている印象だったので、英国留学というのは納得。

舞台は、昭和30.40年代? リカちゃん人形がほしいとリクエストした ようこ のもとに、おばあちゃんから送られてきたのは、黒髪の市松人形でなまえが「りか」…というコミカルな出だしなのですが、相当深い、濃い世界を描いていて、引き込まれました!

「西の魔女」と合わせて読むと、梨木ワールドがだんだんわかってきて…もしかして「りかさん」のほうが、梨木さんらしさが表れているかも…なんて2冊しか読んでないのに(笑)思いました。

気づいたことをメモしておきます。

現実の目に見える世界とはちょっと違う、「むこう」の世界<異界>との接点を描いた、日本のスピリチュアリティーといえるかも。

アニミズムという言葉で片付けてしまうのはもったいない、暮らしのなかのスピリチュアリティーが、昭和の香り=古き良き日本の暮らしの様相とともに描かれています。

異文化の香りもところどころあって、心の傷とそのいやしとというテーマも、「西の魔女」と共通していますね。

手仕事のいやし効果もでてきます。今回は、染織 や 針仕事に。

また、おばあちゃん が登場。 おばあちゃんの含蓄のある言葉がちりばめられていて、いいです!

「西の魔女」もそうですが、「お母さん」の影が薄いです。薄いどころか、ほとんど出てきません。

大人は現実のことに忙しくて、おばあちゃんやこどもが見える世界が「みえない」のでしょうか。

人形とか染織といった文化の中には、人の心の傷をいやしたり、収まりをつける、という役割があったのですね。 それが失われた現代日本人が心を病んだり暴走したりするのは、当然といえば当然…と思いました。

「…あの人がようこの家に居つくようになったのも、汐汲がようこの家に来ることになったのも、いろいろな因果が少しずつひかれあってのことだ、そうして最後には収まりがついたんだ」「不思議だねえ」「りかがいたからだよ」

「りか」という人形がいて、「収まりがついた」ーー布置を呼び起こしたのですね。

この続編ともいえる、「からくりからくさ」という作品も読んでみようかな!と思いました。

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