10月の本棚から☆
今月読み終えた本のレビューです♪
【大江健三郎 人生の親戚】
大江氏の作品を読むのはこれが初めて。河合隼雄先生の中年クライシス (朝日文芸文庫) にこの作品がとりあげられていたので、前から読みたいと思っていました。
難解かつ、すっごく重たいテーマの物語。でも、引き込まれて一気に読んでしまった。むずかしかったけれど、「中年クライシス」を合わせて読んだおかげで、おぼろげながら部分的に理解できたかな…。小説というものの底力を感じたのは確か!
どうすれば理不尽な苦しみ、悲しみを背負って生きていけるのか…簡単なことではない。一生かけて答えを見いだしていくもの…そんなふうに受け取りました。
人生の親戚 (新潮文庫) | |
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【梨木香歩 裏庭】
初期の作品のようです。現実の世界と、「裏庭」の世界とのパラレルストーリー。スケールは小さいですが、内容は、ロードオブザリング、ゲド戦記にまさるとも劣らない!?
最初は「現実」世界の物語に惹かれましたが、読み進めるうちに「裏庭」世界の物語のほうがリアルに感じられるようになってしまって…不思議な作品。「現実」は「あちらの世界」(たましいの世界)の写し絵にすぎないのかもしれない…そんなことを思わされる作品でした。
裏庭 (新潮文庫) | |
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【梨木香歩 ぐるりのこと】
同じく梨木さんのエッセイ。著者の小説を何冊か読んだあとでこれを読むことをお勧めしたいです。
ぐるりとは、自分の身の回りという意味。身の回りのことから始めて、梨木さんの思考、視点は世界をかけめぐります。
個人の問題と時代・世界の問題を切り離すことをせず、感情におぼれず冷静に、かといって客観的に評論家となるのではない。対象にいかに近づきいかに内側から理解していくかをたえず考え続け、思考を停止させない著者の姿勢に脱帽。尊敬です。
これは、心理臨床家としての姿勢にも通じるものがある、かなり近いものがあると思いました。河合隼雄先生がお元気だったら、梨木さんと対談してほしかったです…ぜったい盛り上がったと思う…
ぐるりのこと (新潮文庫 な 37-8) | |
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【箱庭療法 田中信市】
心理療法のなかの「箱庭療法」を扱った新書です。一般向けでわかりやすいですが、案外深いことも書いていたりして、あなどれません。
箱庭療法こころが見えてくる方法―不登校・情緒不安定・人間関係の悩み (講談社プラスアルファ新書) | |
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