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2009/03/13

摂食障害というこころ

摂食障害というこころ―創られた悲劇/築かれた閉塞 摂食障害というこころ―創られた悲劇/築かれた閉塞
松木 邦裕

新曜社  2008-05
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 摂食障害についての本を読みました。著者は精神科医で精神分析家。

 とっても良い本でした!! 精神分析の言葉を使っているので慣れないとやや難解に感じるかもしれません。でも内容的にはすごくわかりやすく、医療・援助職の人だけでなく、摂食障害の方のご家族、周りの方が読んでも、非常に役立つのではと思います。

 摂食障害のいろいろなタイプを挙げ、そのうえで、「中核的な摂食障害」に絞って、そのこころや行動を詳しく解説して、対応方法(治療方法)を示しています。

 この本で言う中核的な摂食障害とは、従来「思春期やせ症」とか「拒食症」と呼ばれた狭義の摂食障害です。「おのれの存在を賭けた強力なやせ希求を抱き、拒食や多動、カロリーへの強いこだわりといった病態をベースとして、現在は過食・嘔吐を繰り返すようになっている」病気のこと。

 専門家でも摂食障害のとらえ方は様々だということですが、筆者は、中核的摂食障害は「その人の一生を台無しにしてしまうたいへん重い病気」であり、「脳や神経組織の病気ではありません。まぎれもないこころの病」「パーソナリティの病理以外のなにものでもない」というところに立っています。

 しかも、摂食障害のパーソナリティの病理とは、ずばり「自己愛的なパーソナリティ障害」とのことです。これには目から鱗ーーそして深く納得なのでした。

 こうした基本的な考え方は、摂食障害を治していくうえで、非常に大切だと思いました。

 しかし、こころの病気であるからといって、心理療法だけで治るとは著者は言っていません。医師や医療スタッフが、摂食行動・やせるための行動をしっかりと制止・管理(場合によっては入院)した上で、心理療法を行っていくのが治療の王道だそうです。ここにも納得!

 こころの葛藤・不安を避けるために行動化しているのを制止し、それによって生じてきた抑うつ感や不安を心理療法(こころのふれあいによる治療)で取り扱う。これは、なにも摂食障害だけでなく、心理療法の真髄なのだろうと改めて確認しました。

 その心理療法では、患者さんの重い感情や考えをセラピストが「ただ指摘するだけではなく」、「それらの感情をひとりで抱えている彼女たちの苦しみに共感するとともに」、「彼女たちとともにいることをこころがけます」。

 さて、細かい内容に入っていくときりがないので、ここらで終わりにしますが、ほかにも、「治療者の孤独について」や「ボーダーライン・パーソナリティ」という表現のマイナス面についての考察も興味深かったです。

 今年いちおしの(まだ3月だけど^^;)本になりそうな予感!

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