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2010/09/10

女性の心理童話3章

 お待たせしました! 2年ぶりの続き記事です(笑)。

 A.B.Chinen著 Waking the World --Classic Tales of Women and the Heroic Feminine--  (女性の心理童話)第3章の抄訳。第1章はこちら。第2章はこちらです。

第3章 マリア・モレヴナ ー力の限界ー (ロシア)

【あらすじ】

両親亡き後、イワン王子は3人の妹を結婚させ、妹たちを訪ねる途中で、戦争から引き上げてきた女帝マリア・モレヴナに出会う。二人は恋に落ち結婚する。

マリア・モレヴナは再び戦いに行くことになり、城に残ったイワンは、マリア・モレヴナに決して見てはいけないと言われた納戸を開けてしまう。そこには、不死身のカシシェイという魔神がいた。

カシシェイに乞われてイワンは彼に水を飲ませ、カシシェイは逃げてしまう。イワンは、マリア・モレヴナがカシシェイに捕らえられたと聞き、彼女を助けに行く。

イワンは、カシシェイの城にたどり着き、マリア・モレヴナに会う。二人は逃げるが、途中、魔法の馬に乗ったカシシェイに追いつかれ、マリア・モレヴナはまた捕らえられてしまう。再度、カシシェイの城に入りマリア・モレヴナを助け出したイワンだが、またカシシェイに見つかり、身体を粉々にされ、樽に入れられてしまう。

しかし、イワンの妹の夫たちが、イワンの異変に気づき、命の水を使って彼を生き返らせる。

イワンは義弟たちの反対を押し切って、カシシェイの城に忍び込み、マリア・モレヴナに会う。イワンは、カシシェイが持つような魔法の馬を手に入れようと、バーバ・ヤガ(人食い鬼女)のもとに行くことにする。バーバ・ヤガは火の川の向こう側に住んでいる。マリア・モレヴナはカシシェイから、火の川を越えるためのハンカチを盗む。

イワンは旅の途中で、鳥、女王蜂、雌ライオンに遭い、空腹のため、その子どもや蜜を食べようとするが、「いつか助けるから食べないで」と言われ、思いとどまる。

火の川に着いたイワンがハンカチを振ると橋が現れ、川を渡ることができる。イワンはバーバー・ヤガのもとで、馬を放牧する仕事を与えられ、一頭も失わなければ馬を与えると言われる。

牧草地で馬たちは四方八方に逃げてしまう。しかし、鳥、雌ライオン、女王蜂が馬を集めて帰らせてくれる。イワンは馬を盗んで逃げる。火の川を渡り終わると、追いかけてきたバーバー・ヤガは火の川に落ちて焼け死ぬ。

イワンはマリア・モレヴナを馬に乗せ逃げるが、カシシェイが追ってくる。イワンの馬がカシシェイを倒し、イワンはとどめを刺す。イワンとマリア・モレヴナは故郷へ帰り、幸せに暮らした。

【解説】

一見イワンが主人公にみえるが、これは女帝マリア・モレヴナの物語である。イワンはマリア・モレヴナの心の中の男性像(アニムス)とみることができる。

マリア・モレヴナは支配者であり、攻撃的で独立心があり競争と権力を好んだ(=父の娘)。一方イワンは、優しく、世話好きで、権力よりも関係性、富よりも感情を重んじた。イワンはマリア・モレヴナが自分のなかに無視してきた性質を表していると言える。(伝統的な性役割の逆転が見られる)。

若い頃、権力や達成を求めてきた女性は、中年期に、人間関係や親密さという課題に出会う。それは必ずしも容易な道ではない。

魔神カシシェイに閉じこめられるマリア・モレヴナは、権力をもつ女性が反感・反動を買い、脅威にさらされることを表している。また、カシシェイはマリア・モレヴナの「影」であるとも言える。権力にともなう暴力性や冷酷さを表しているからである。

しかし、マリア・モレヴナは監禁されることによって、活動を停止し、内省的になり、自己の新しい一面を発見する。物語では、彼女の監禁後に、女性的な活力のシンボルが動き始める(鳥、女王蜂、雌ライオン、雌馬、バーバー・ヤガなど)。たとえば、鳥、女王蜂、雌ライオンは、養育と力、自己主張と優しさの統合(=女性の課題)を示唆している。

バーバー・ヤガがイワンに与えた仕事=馬追いは、衝動性やインスピレーションと、秩序とのバランスの象徴とみることができる。それは、魂のモデルであり、リーダーシップの新たなパラダイム(協力とエンパワーメント)でもある。

バーバー・ヤガは、ネガティブな女性像のシンボル、女王蜂は、女性の肯定的な面(自然発生的で直感的)のシンボルであるといえる。バーバー・ヤガは殺されなければならなかった。

イワンは、「新しい男性像」とみることもできる。ポスト英雄的な男性、つまり、権力と優しさ、英雄性と関係性を統合した男である。

物語は、男女両者がともに育っていくことを強調している。イワンには英雄的な側面、マリア・モレヴナには養い育てるエネルギーを。そのときにこそ二人は互いに深く本物の関係に到達するのである。

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長くて複雑でした〜(わかりにくい文ですみません) 原文は、摂食障害についての考察とかもっといろいろあるんですけど、省略しました。

強い女と優しい男が、困難のなかで助け合い、自分に無いもの(相手が持っているもの)を統合していく、という興味深いお話かな? なんだか身につまされるう(爆)。

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コメント

わー!待ってました!!!
英訳、おつかれさまです。
こんな長文かつ難しそうな英文、訳せるなんて、毎度思いますがすごいです。

イワンの「ポスト男性像」が気になりました。
素敵。私が求めているのは、男性像??
すったもんだして、獲得できるといいです(笑)

関係ないですけど、半世紀も門外不出だった「赤の書」というユングのみた夢を絵にしたものが出るらしいですね。
観てみたい。

たまおさん、

たまおさんのラブコール?のおかげで、仕上げることができましたよん!

感想ありがとうね。

「男性像」ともいえるし、女性の中の男性像(アニムス)とも解釈できるので、求めてOKだと思います!

「赤の書」 新聞にも載ってましたね!
日本語版もう出てるのですねえ〜 
4万円するけどcoldsweats02 絵が妖しいらしいです…
絵だけみたければ、英語版120ドル+送料がお手頃とか…
(アマゾン情報です)

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