【BOOK】対岸の彼女
対岸の彼女
角田 光代
「八日目の蝉」 に続いて、角田さんの本を読むのは2冊目ですが、この本いい〜!!
とっても気に入りました♪
「八日目の蝉」と同じく、女性が主人公で、ほぼ女性しか出てきません。そしてふたり主人公というところも「八日目」と同じ。30代の同い年 小夜子と葵の二人の視点から交互に、物語が進んでいきます。
テーマは 女性の友情 かな? あるいは、女性というものの、同性との付き合い方。すっごくリアルで、「痛い」と感じる人が多いのではないかしら?
中高生時代に群れるところから始まって、大人になって、子どもが産まれても、職場でも、群れて、異質な人を排除しようとする女たち…
そういう人間関係についていけなかった(排除された)経験を持つ、二人の女性のストーリーです。
痛いシーンも多々あるけど、どうなっちゃうのかな〜と最後までドキドキ… 最後は読んでのお楽しみ♪ 涙腺がゆるむことも何度かありました。
偶然にも、昨日の朝日新聞 読書欄で、佐藤優さんがこの本を取り上げてました!
佐藤氏も引用していた箇所より
小夜子とは年齢と出身校以外…何もかも違った。…けれど自分たちは、おんなじ丘の上をあがっているような気がしてならなかった。まったく別のルートから、がむしゃらに…傾斜をあがっている。立場も違う、ものの見方も、持っているものもいないものも違うが、いつか同じ丘の上で、着いた着いたと手を合わせて笑い合うような、そんな気が漠然としていたのだ。
何もかも違うけれど、お互いを尊重し合い、足りないところを補い合うような関係、踏み込みすぎず、でも、温かく支え合うような関係… それが友情、ほんとうの友達の意味かと…
角田光代さんは、女性の描き方がうまいな〜 リアルだな〜と思います。とくに、「みっともない女性」の描き方や、荒れた部屋の中とか。微妙な心理描写、比喩の使い方もいいなと思います。
著者の人に対するまなざしは温かくて、人と関わりながら生きていくことっていいなと思える小説でした♪
最近のコメント