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2011/02/20

【BOOK】治療関係と面接

治療関係と面接―他者と出会うということ
成田 善弘
4772408800

精神科医で精神分析家でもある成田善弘先生の論文・エッセイ集(2005年刊)。

患者さんとの出会いのなかから学んだこと、考えたこと、心のうちを真摯に見つめた文章もあり、全体として、成田先生の誠実な温かいお人柄(お会いしたことはありませんが…)が伝わってくる本だと思いました。

「精神分析」という流派にしっかりと立ちながら、「共感」や「支持」について細やかな考察をし、森田療法を評価し…と幅の広さを感じます。

フロイトの、アンナ・Oやドラの症例をめぐる考察もわかりやすく書かれていておもしろいです。

(「心理療法的関係の二重性」より)

心理療法が進展すると、治療者と患者の関係は必ずしも意識的ではなく無意識となり、必ずしも理性的ではなく情緒的となり、必ずしも現実的ではなく通時的となる。…心理療法家はインフォームド・コンセントに集約されるようなA関係(意識的・現実的・理性的・現在的・職業的・契約的)と、転移・逆転に集約されるようなB関係(無意識的・空想的・情緒的・通時的・個人的・転移逆転に的)の両方に目配りし、両方を生きなければならない。A関係がまったく見えなくなってしまえばB関係が両者の関係となり、それはもはや治療という専門的営為ではなくなる。しかしA関係のみに終始してB関係が発展しなければ、患者の深く蔵している問題は明らかにならず乗り越えられないので、やはり治療とは言えなくなる。心理療法家はA関係を確立しその枠を守りつつ、そのなかでB関係の発展を許し、自らもそこに組み入れられ、参加するのである。この二重の関係をいかに生きるかが心理療法家に課せられた課題である。

(「心的外傷」より)

筆者にとって心理療法とは、患者が今まで気づかなかった自己の内なる感情や衝動に気づいてゆき、それらを自分のものとして引き受け制御できるようになることを目指すものである。言い換えると「内なる悪」に気づきそれを引き受けてゆく過程であって、決して「だんだんきれいになる」過程ではないのである。

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