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2011/12/15

【BOOK】 再読 ノルウェイの森 

B0047T7QXO ノルウェイの森  上下巻セット (講談社文庫)
村上 春樹
講談社  2010-11-05

by G-Tools

 村上春樹の「ノルウェイの森」を初めて読んだのはいつのことだったか…思い出せません(たぶん結婚前か、子どもが生まれる前だと思う)。

 たぶん初めて村上作品を読んだせいか、なにか、ワケがわからない、違和感のようなものを感じたことだけを覚えてます。

 臨床心理学を学び始めてから、「ねじまき鳥クロニクル」を読んで、ムラカミワールドに徐々にはまり、楽しめるようになってきました。

 そして、今回十数年ぶりに「ノルウェイの森」を読んでみようと思い、手に取りました。

 ストーリーもほぼ忘れていたので、作品を楽しみたいという気持ちもありましたが、それより、前回と比べて自分が何をどう感じるのか<中年になった自分が(笑)>に興味があったのかもしれません。

 上下巻、あっというまに読んでしまいました。至福の通勤時間だった♪

 う〜ん、やっぱりなかなかおもしろい、すんごい作品だな…と…(単純でスミマセン)

 全編を通底しているのは「生と死」。主人公「僕」が17歳〜20歳のころ、唯一の親友、そして大切に思う女性(直子)が自死していきます… ほかにも、その関係者が次々と自死や病死する 圧倒的に暗く切なく寂しい物語。「僕」の出した結論は…

「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」

  たしかにそれは真実であった。我々は生きることによって同時に死を育んでいるのだ。しかしそれは我々が学ばねばならない真理の一部でしかなかった。直子の死が僕に教えたのはこういうことだった。どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。(下 p223)

そんな僕に対して 僕と直子の導き手のようなレイコさんが言った言葉も印象的。

あなたがもし直子の死に対して何か痛みのようなものを感じるのなら、あなたはその痛みを残りの人生をとおしてずっと感じつづけなさい。そしてもし学べるものなら、そこから何かを学びなさい。でもそれとは別に緑さんと二人で幸せになりなさい。…だから辛いだろうけど強くなりなさい。もっと成長して大人になりなさい。(下 p248)

 

 「僕」は、レイコさんとの「喪の儀式」を経て、緑という女性と一緒に生きていくことを決意します。

 小説の最後は、緑に電話した僕が「あなた、今どこにいるの?」という問いに答えられず、「僕は今どこにいるのだ?… 僕はどこでもない場所のまん中から緑を呼びつづけていた。」 で終わります。じわじわと押し寄せる感動。人は誰かとのつながりがあって初めて自分をこの世界に位置づけることができるのか、と思ったり。

 そして、この作品にはめずらしく、作者のあとがきがついていたのでした。これを読んでまた胸がつまりました。

 さて、ムラカミワールドは、作品を越えて、いろいろなモチーフやメタファーがつながって、進展していると思うのですが、

この作品にも、その後の作品に見え隠れする様々なモノが潜んでいました。

「井戸」、「森」、「ねじを巻く」こと、「スプートニクの恋人」や「海辺のカフカ」に出てきそうな人物たち、そして、「1Q84」の「青豆」も発見してしまい… 

電車のなかでニヤニヤして 完全に妖しいヤツになってましたねsmile

何度読んでも、そのときの自分の状態によって、気づくことや感動する場所が違いそうな村上作品。新作が出る前にまた他の作品も読み返してみようかな〜と思っちゃいました。

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コメント

村上作品は、やはり深いテーマの小説なんですね。
いろいろ考えさせられそう。
通勤中に本が読めるのは、いいですよね~!
私も、じっくり本が読みたい…。

ノルウェーの森の最後の主人公とみどりのやりとりは深いものがありますね。
私は最初に読んだときにこのやりとりに非常に深い絶望を覚えたのですが、今読んでみると違うのかもしれません。
ちなみに映画はこの場面、割と中立的な描かれ方をしていたと思います。

村上作品はこれ以降、ゴリさんの引用されたセリフにあるとおり
>「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」
として、生と死ではなく、いまの世界ともうひとつの別の世界、というのが常にテーマになっていると思います。
どの作品も底辺で絡み合っていて何度読んでもあきないですよね。
私も何か読み返してみようかな。

たまおさん、
たまおさんの感想も聴いてみたいよ〜
読書タイムがとれるといいね!
でも子育ても今しかないから、楽しんで!!

ゆきさん、
映画観られたのですね!ワタシは見ていません…観たいような、でも自分のイメージが壊れそうで、観たくないような。
最後の場面、そうですね、うちの夫も、
「尻切れトンボで絶望的」のような感想を言ってましたが、
今回ワタシは、「呼び続ける」という主人公の行動に希望を感じてしまいました(年のせい?)
まだ足下はおぼつかないけれど、誰かを求めるっていう能動的な行動に出たことに…
そうそう、
ノルウェイでは、死という異界だったけど、
ほかの作品は、もっとすごい異界=「あちらの世界」が、この世界を生きるために必要不可欠、みたいな感じですよね…
ゆきさんも村上作品読み込んでいらっしゃるようで、うれしいです♪
それにしても、出産直後でよく頭が働きますね〜さすが!!

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