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2012/03/26

【BOOK】重松清 十字架

4062159392 十字架 (100周年書き下ろし)
重松 清
講談社  2009-12-15

by G-Tools

重松清さんの こんなタイトルの小説が出ていたとは知りませんでした!

きれいなパステル調の表紙にひとめぼれして、図書館で借りた本。

作者の渾身の一冊、と言ってもよいのではないでしょうか。

ワタシは読んでよかった〜 この本に出会えて感謝!と思いました。

どうにもならない苦しさ、みたいなものを淡々と静かに表現するのがほんとに上手ですね、作者は…。

ストーリーは、中学生のいじめ自殺とその遺族や「友人」のその後、の話。

と聞いただけで、どんなに重たい話か想像がつくでしょう!?

タイトルの通り、「十字架」=突然「選ばれて」重荷を負わされる、負い続けなければならない人々の物語。

でも「十字架」にはもうひとつの意味があって…

それは読んでのお楽しみ♪

キリスト教とは直接関係のないお話ですが、「十字架」というシンボルがうまく使われているな〜と思いました。

そして、いろいろ感じてはいても、言葉で表現できない中学生男子のココロの描き方が秀逸だなあと。無口な中高年男性の描き方も…。

自死遺族、しかも子どもに先立たれた親の、ぼろぼろになってしまう姿に、涙が止まりません。

物語は、自殺直後から、13回忌を経て20年後までの遺族や「友人」の歩みが語られていて、どのようにこの苦しみと向き合って(つきあって)きたかがよくわかります。

儀式、写真、思い出の品、日記、手紙、故人の思い出を語ること、書くこと、故人の歩んだ道そして歩もうとしていた道を辿ること…こうしたことのすべてが、遺族のグリーフワーク(悲しみを乗り越えるための心の作用)につながるのですが、それでも、悲しみはなかなか癒えない…さいごにようやく希望の光が見えるか見えないか、というところでしょうか。

涙なしには読めませんが、魂をゆさぶられる感動に浸りたい方にお勧めです。

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