玉岡かおる 負けんときーヴォーリズ満喜子の種まく日々
負けんとき―ヴォーリズ満喜子の種まく日々
玉岡 かおる
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久しぶりに、人物伝を読みました♪
心が洗われるってこういうことなのかな
さわやかで、とっても素敵な物語!
キリスト教伝道を志して明治に来日し、日本人女性と結婚してのちに帰化し、日本に骨を埋めたヴォーリズ氏(建築家として、また、メンタームの近江兄弟社の創立者として有名)。
その妻は、元播磨小野藩主の娘、子爵令嬢の一柳満喜子さんだったとは!
この物語は満喜子さんを主人公としたもので、彼女の若いころから、ヴォーリズ氏との出会いと、生涯を添い遂げるまでの伝記的な小説となっています。
満喜子を導いた人として、津田塾大学の津田梅子や、女子学院創設者の矢嶋楫子、日本女子大の創設を経済的に援助した広岡浅子、また、アメリカからやって来た英語教師や宣教師など、さまざまな人との出会いが綴られています。
満喜子は能力が高く、かつ、母親の影響か、自立心の強い女性。華族の学校でなく、平民と一緒に学び、アメリカに留学。
嫁として自分を殺して生きるよりも、世のため人のために何かしたいと願っていましたが、封建的な父親のもとでは、思うように生きられず。。。
最終的には、その父を裏切る形で、父とはなれ、日本に来ていたヴォーリズと結婚します。
実は満喜子には、思いを寄せる幼なじみとも言える男性がいたのですが。。。
身分の違いゆえに二人は相思相愛ながら結ばれず、思いを断念。
その傷心のなかでヴォーリズと出会うのです。。。
このあたりが、ひとつのクライマックスで、しびれましたね〜
ま、作者の想像による部分も多いのかもしれませんが。。。。
数々の障害を乗り切って結婚する二人。結婚のために、華族から籍を抜いて平民になることを選んだ満喜子。
ヴォーリズは、紳士的でユーモアたっぷりで、魅力的なこと!
日本の伝統を尊敬して重んじ、近江八幡を永住の地と選んだアメリカ人男性。
そして、日本人のために、近代化のために、建築を始め、さまざまな事業を勢力的に展開するヴォーリズと仲間たち。
満喜子もさまざまな葛藤を抱えながらも、自分独自の使命を見いだしていきます。
運命に負けず、困難を乗り切りーー「勝つ」、のでなく、「負けない」という励ましが、題名になっていますーー自分にできることをしていく満喜子とヴォーリズ。
読後感は清々しく、こんなに素晴らしい志を持った日本人と日本を愛したアメリカ人がいたのだ。。。と、胸が熱くなる作品でした。
ちなみに、上下巻です♪
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