綿矢りさ かわいそうだね?
芥川賞作家 綿矢りさ さんの 「かわいそうだね?」 を読みました。
彼女の作品を読むのは、「夢をあたえる」以来、2冊目です。
夢を。。は、ちょっと重たい、暗い感じの小説でしたが、
この本は、「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の2作とも、
元気で、生き生きしていて、楽しく読めます☆
とくに、亜美ちゃん。。は、ラスト、涙が出そうになるくらい
良いお話でした☆
2作とも、同年代の女同士のかかわりあいを描いた作品。
女性にしか書けない、いや、綿矢りさにしか書けない、
ヒジョーに微妙な女心を巧みな表現描いています。
女なら誰しも、身近にいる同年代の女に対して
「胸がざわつく」という体験をしているでしょう?
思春期を通ってきた女子ならば。。。
「かわいそうだね?」は、彼氏が元カノと同居してしまい、
その、元カノのところに乗り込んで行く女。
「亜美ちゃん。。。」は、高校時代から、超絶美人の亜美ちゃんの「親友」として
常に隣にいて(亜美ちゃんに好かれて)「引き立て役」となってきた女。
「ざわつく」のは、ユング的にいえば、「コンプレックス」あるいは
「影(シャドウ)」だから、
相手は、自分にないもの、自分にない「幸せ」を持っている。
それは、「私」が決して手に入らない幸せだったり、
「幸せではない」と思い込んでいるものだったりする。。。
「かわいそうだね?」は、彼女とぶつかって
そのしたたかさに驚き、楽観的な諦めのようなものを主人公は体験する。
「亜美ちゃん。。。。」では、二人の女の関係性が変わっていき、
主人公(さかきちゃん)は、亜美ちゃんの隣にいても
ざわつかなくなる。
誰からも愛され、一目置かれる美人の亜美ちゃんが、
実は、深い孤独を持っていることを理解し、
なぜ、彼女が自分を好きになっていつも側にいるのかが、
つき合ってから、10年近くたって、初めて腑に落ちる。
そして、彼女を 「支え続ける」 と決意するさかきちゃんの姿は、
ホントウに涙ものです。。。
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かわいそうだね? 綿矢 りさ 文藝春秋 2011-10-28 by G-Tools |
湊かなえ さんの 「境遇」も読みました。
偶然にも、最近みた映画 「あなたを抱きしめる日まで」 と似たテーマ。
幼い頃、施設に預けられた子どもと、その親が、
何十年か経って、互いに相手を捜し求める。。。という伏線のある
ミステリー小説。
途中から、なんとなく、筋が読めてしまいましたが。。。。
そして、これも、同じ「境遇」で「親友」である女性二人のかかわりを描いたもの。
女の友情って。。。。
ドロドロした世界がお好きな方はどうぞ。
でもこれは、それほどドロドロでは無かったです。
湊さんは、やはり三部作と言われる、
あたりが真骨頂なのでしょうか。。。。
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境遇 湊 かなえ 双葉社 2011-10-05 by G-Tools |
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