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2016/05/02

梨木香歩 ピスタチオ & 米澤穂信 王とサーカス

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素敵な作品(小説)に出会ってしまいました〜heart04

梨木香歩さんの「ピスタチオ」
グリーンをベースにした表紙デザインもさわやかで好み ☆
 
地味で静かな物語なんだけど、じわ〜んと来ました。
 
主人公でライターの翠(ペンネームは棚)。
 
飼っている犬の病気と手術、知人の書いた本を見つけたこと、その人(片山海里)が死んでいたことがわかったことなど、いろいろな偶然から、呼び寄せられるように、アフリカ、ウガンダへ向かう棚。
 
片山が研究していたのが、ウガンダの呪術医(シャーマンというものなのかな?)
片山の足跡をたどって、棚がたどりついたもの、出会った人は。。。。??
主人公、棚には連れ合いがいるし、片山とは、濃い関係ではなかったので、
彼の死を悼む悲嘆の物語、というテイストではありません。
 
けれども、登場人物それぞれが、自分や家族やペットのなんらかの喪失を身近に経験していて、死というものが物語を通底しています。
 
片山が、ウガンダで、呪術医のような役割を果たしていたことがわかるのですが、実際になにをしていたのかといえば、それは、「死に行く人に物語を与えること」だったのでした。
 
 
 
ーー患者が、というより患者と、患者のジンナジュが、本当に欲しがっているのは、ストーリーなんだって、カタヤマはよく言っていました。特に人の怖ろしがる病の場合は、なぜ、自分がその病気になったのか、納得できる物語が欲しい。患者が、いよいよ助からないとなると、カタヤマはまるで依巫にでもなったかのように、その人の一生を謳い上げるようなストーリーをつくって、訥々と話して聞かせるんです。現地の言葉で。カタヤマの言葉は、拙いものだったけど、力があった。そうすると、患者は本当に満ち足りた顔になる。見栄のためじゃない。死者には、それを抱いて眠るための物語が本当に必要なんだ、って言ってました。(p.237)
 
 
 片山海里の言っていたという、死者の「物語」こそがそれなのだろう、と思う。人の世の現実的は営みなど、誰がどう生きたか、ということを直感的に語ろうとするとき、たいして重要なことではないあ。物語が真実なのだ。死者の納得できる物語こそが、きっと。その人の人生に降った雨滴や吹いた風を受け止めるだけの、深い襞を持った物語が。ーーそういうものが、けれど可能なのだろうか。片山海里はきっと、作り手として関わりながら、自分もその物語を生きたのだろう。ストーリーに、自らの半身を滑り込ませるようにして。(p.256)
 
そして、死と生ーーいのちがそれほど離れていない、地続きのような感覚で描かれているような気もします。
ひとりの死、ひとつの命は、それだけで終わらない、その使命や仕事は、引き継がれて行くもの、というメッセージを感じました。
 
 
ーーねえ。人って不思議なものね。生きている間は、ほとんど忘れていたのに、死んでから初めて始まる人間関係っていうものがあるのね。
ーー海里のこと?
ーーまあね。あなただから言うけど、その人が死んでくれて初めて、その人をトータルな「人間」として、全人的にかかわれるようになる気がする。生きているときより、死んでから、本当に始まる「何か」がある気がする。別の次元の「つきあい」が始まるのね、きっと。あなた風に言えば、「咀嚼」できるっていうか。(p.258)
 
 
さいごに主人公が書いたと思われる 「ピスタチオ」という題名の物語が秀逸。
梨木香歩さんてほんとにすごい作家だわ〜 
同じ時代に生きていることが、幸せに感じてしまうほど!
作品に出会うたびに、圧倒されっぱなしです^^
 
 
4480804285 ピスタチオ
梨木 香歩
筑摩書房  2010-10


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もう1冊、偶然にも、これまた、女性フリーライターを主人公とした小説を読みました。
 
2016本屋大賞にも選ばれた「王とサーカス」
 
こちらも海外が舞台で、ネパール、カトマンズです。
 
カトマンズの町や宿、食べ物の様子、貧しい少年たち、など
空気感が伝わってきます。
 
ここには詳しく書きませんが、ミステリーとしても面白かったし、
ライターとしての、彼女の内面の葛藤もよく描かれていて
惹き込まれました〜
 
 
米澤さんの文章は、ムダがなく、引き締まっている感じがして、好きです〜
 
 
 
4488027512 王とサーカス
米澤 穂信
東京創元社  2015-07-29


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